ノルアドレナリンは、脳がしっかり覚醒して人間特有の高い機能を発揮するための神経伝達物質といわれています。
けれど、ノルアドレナリン量が過剰になると、
不安や恐怖、焦燥や取り乱す状態が出現してしまいます。
代謝物であるアドレナリンも増えることで、
頻脈や冷や汗などが出現し、その不安や焦燥は助長されることになるのです。
そして、ノルアドレナリンは、「闘争」と「逃走」両方の性質を持つ物質だと言われます。
さて、時代をかなり遡って、考えてみましょう。
古代、原始人の時代には、マンモスやら何やら…凶暴な野生動物がたくさんいましたよね。
人間は動物を狩って、食糧としていましたから、
大きな野生動物と闘うことは、食べるという行為のために必要なことでした。
よし!これから食糧を調達しに行こう!と、
漢たちが集まって狩りへと出かけます。
しかし、思わぬところで、思ってもみなかった動物に鉢合わせ!
すでに相手はコチラに気づいていて、攻撃態勢に入ろうとしています。
そんな時、するべきことは、目の前の相手と「闘う」か「逃げる」かのどちらかしかありません。
恐怖におののき、何もせずに立ち尽くしていれば、みすみす殺されることになってしまいます。
そんな時、闘うべきか、逃げるべきか、直感的な判断をするために、ノルアドレナリンが分泌されるのだそうです。
ノルアドレナリンが分泌されると、脳が研ぎ澄まされ、集中力が高まり、どうすればいいのか一瞬で判断できるようになると言われます。
「全力で走って逃げる」か「果敢に挑んで、相手を打ち負かすか」どちらかしかありません。
ノルアドレナリンが引き起こす「不安」や「恐怖」が、ピンチを脱するエネルギーとなるのです。
ノルアドレナリンとともにアドレナリンも分泌され、心拍数が上がり、全身に血液が行き渡り、
いてもたってもいられない状態になるのは、
ピンチのときに「さっさと行動しろ!」と、
ノルアドレナリンが、あなたに叱咤激励しているようなものなのですって。
不安を減らすためには「行動」しかないと言われるのは、このような理由があるからでしょう。
不安になるのは、必ず「ピンチの状態」や「困った状態」のときのはずです。
その状態は決して長く続けていいものではありませんので、「早く行動して脱出しなさい!」という脳内からのアプローチが促されているということなのですね。
ですから、何もしないで、放置すればするほど、
不安は強まります。
布団に入って、「どうしよう」と悩み続けるほど、不安は強まるのです。
「どうしよう…」と思考停止のループに入ることは、よくあることですが、行動を起こさない限り、いくら悩んでも問題が解決されることはありません。
「行動する」ことこそが、問題解決の道になるのです。
いきなり不安が「ゼロ」にはならないまでも、
行動することで、不安は軽くなります。
何もしないと不安感は強まるだけなのです。
また、人間の悩みは、行動しながら、解決していくものですので、情報だけ集めて悶々としていても、何も変わりません。
ですので、まずは、動くこと、行動することを心がけましょう。
ここでは、基本的な行動三つをお伝えします。
(1)話す
「相談する」「カウンセリング」というのも「話す」ことです。
「バカヤロー!」と大声で叫ぶと、スカッとしてストレス解消になりますよね⁉️
友達とのおしゃべりでも、ストレス発散ができます。さらに、雑談によって人間関係を深めることができますし、適切な「質問」で速やかに問題解決に導かれることもあるでしょう。
(2)書く
「書く」というのは、さらなるアウトプットの方法です。自分の悩みを書き出すだけで、ストレスが吐き出されます。
また、頭の中が整理され、悩みが明確化します。
書くことで脳内が整理され、自己洞察が深まり、間違った考え方や不適切な感情に気づき、修正する手がかりを得ることができるのです。
たとえば、毎日、日記をつけると、自己洞察力が鍛えられますよ。
(3)体を動かす
運動をすればセロトニンが活性化し、ノルアドレナリンを正常化したり、脳内を鎮静し、リラックスさせ、ネガティブな感情を消し去ってくれると言われています。
ですので、強い不安がある時は、すぐ外に出て、100メートルを全力疾走してみると良いと言われます。ネガティブな思考回路から抜け出し、気分はスッキリするはずです。
不安感を拭えると、問題の本質を正しく捉えられるようになり、必要な答えを導き出すことができるようになるのです。