薬玉ってご存知ですか?
薬玉と書いて、くすだま🎊
くすだま…割れた途端、中からキラキラとした紙吹雪が舞いおちるそんな様を思い描く方も多いと思いますが、
本来は、魔除けに使用する道具として端午の節句などに用いられてきたものなのです。
ん?端午の節句って5月5日だから、
もうかなり前に終わったんじゃない?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、旧暦では、端午の節句は6月頃なのです。(ちなみに、今年2021年は6月14日でした)
薬玉の始まりは中国。
端午の節句の時期は、梅雨時なので、ものが痛みやすく「邪気」の多い時期と考えられており、中国では端午節の日に、薬草を摘んだり、蓬で作った人形を戸口に飾ったりしていました。
そんな風習が、奈良時代には日本に伝わり、平安時代には菖蒲を蓬とともに軒に下げたり、お湯に入れて菖蒲湯として浴していました。
菖蒲や蓬には、邪気を祓い、魔を祓う作用があるとされています。(香術伝)
平安時代、厄除けや邪気(邪鬼)祓いのために蓬や菖蒲を用いて作られた薬玉
↓こちらが野草を使って作られた薬玉
その後、薬玉は「麝香(じゃこう)」「沈香(じんこう)」「丁子(ちょうじ)」などの香を錦の布で包み、玉にして、菖蒲、蓬の葉で飾り、五色の紐を垂らして飾っていたといわれます。
中国から伝わり、平安時代には贈答用に盛んに作られていたのだとか。
(…といっても、これは宮中、貴族のお屋敷での話。一般庶民はそんなことできるはずもありませんね。
今でも、麝香や沈香は、希少価値の高い香原料ですので、簡単には手に入りませんし、良質のものは高価過ぎて一般人が手を出せるレベルではありません。)
さてさて、話を元に戻して…
先に書いた五色(ごしき)という色のこと。
七夕の歌にもありますね。
♪ 五色の短冊🎋
わたしが書いた…🎶
五色といわれる五つの色は、
青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)
古代中国の陰陽五行説に由来します。
陰陽五行説とは、
万物は「陰・陽」の二気と
「木・火・土・金・水」の五行で成り立ち、これら陰陽五行の要素で世の中は回っているという思想のことで、日本の文化にも深く関わっています。
この五行を「青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)」の5つの色で表したものが五色。
「青(緑)=木・赤=火、黄=土、白=金、黒(紫)=水」を表していると言われます。
五色の他にも、方角を表す五方、季節を表す五時、人の徳目を表す五常(五徳)、人の感覚器官を表す五官など、日本ではあらゆるものが五行に配されています。
こちらは、私の主宰する和珠の道ものづくり部で作成している五色の守り玉。
五つの香を組み、調香した香りが、
凛とした空気を作りだしています。
ほんとによい香り…(自画自賛w)
端午の節句は過ぎてしまいましたが、
まだまだ、野草は摘める季節。
五色の珠守りは、もちろんお香原料さえあれば、いつでも作れます。
ということで、来月初め頃にでも、
オンラインツールを用いてのワークショップを開催しようかな…などと考えております。
お近くの方は、コロナ対策万全にした上で極少人数で集まってのワークショップを行ってもいいですね。
決まりましたら、こちらのブログにもアップいたします。
ご興味のある方は、ぜひチェックをお忘れなく〜
和珠の道〜wanomichi〜
主宰 香術師範 遊月
ものづくり部主任 静流
#邪気祓い
#厄除け
#和珠の道
#香術道