鎌倉時代に制定された「御成敗式目」
御成敗式目は、1232 (貞永元年)、第三代執権・.北条泰時 (1183-1242) らによって制定された、
鎌倉幕府の法令で、全51ヶ条あり、武家社会にとっての最初の成文法であるといわれています。
詳しいことは覚えていなくても、なんとなく、
御成敗式目という言葉は耳にした記憶があるのではないでしょうか。
その御成敗式目の第一条に記された言葉に、
「神は人の敬によりて威を増し、人は神の徳によりて運を添ふ」というものがあります。
神様は、人々の敬う心によって、そのお力(神力)を増し、人は、敬い祈ることにより、神の徳をいただいて運を開く…ということです。
いわゆるご利益というものです。
なんと、法令に神様と人との関係を説くことから始まるというのは、現代では考えられませんが、
八百万の神々を祀る日本にあって、なんとも素敵な法案ですよね。
さて、長年、御神事を通して、神仏と言われる存在とのご縁をいただいてきた人生を歩んできて、
はっきりとわかったことは、神様と人との関係は、決して一方通行ではないということでした。
御神事に於いては、神だけが存在すれば成り立つものではなく、「神・場・人」の三つが存在しないと成立しません。
また、神様の言いなりとなって、ただ言われた通りに事を進めていても、神事は成り立ちません。
神と人が、意識を交流し、お互いを助け合い、高め合う存在でなければならないのです。
神様の為すべきこと、なさりたいことは、
決して、エゴの思いではありませんので、
こちらも、一切のエゴは捨てておかねばなりません。
そんな関係を築いていくことで、
神々は、こちらの真行(正しい思いからの行い)に対して、お力添えをくださるのです。
それは、御神事を行うという特別にみえる行為に於いてだけではありません。
日々の暮らしの中で、神々を敬い、感謝し、
神様の意志(調和し、平和へと導く理)に添う心にて生きることで、
神様方からのご神徳をいただけるのです。
ご神徳をいただくからこそ、開運に繋がることを覚えていていただけたらと思います。
清らかな心で、神を敬い慕い続けていく日本人が増えていきますように…。